高市新総裁誕生に際して
最終更新:2025年10月7日
2025年10月4日、自由民主党の総裁選で、決選投票の末に高市早苗氏が新総裁に選出された。日本を守り、より発展させる安全保障・経済戦略を持つリーダーの活躍を期待する。特に経済政策に関しては、減税を含む物価高対策と国内投資とを重視する積極財政の姿勢を評価したい。
「積極財政」といわれると、「国債を無秩 序に追加発行する無責任でポピュリズム的な政策」と思われるかもしれない。確かに国債を一度に大量に発行すると、長期金利の上昇やインフレを招くリスクは指摘される。しかし、高市総裁の2024年の著書『国力研究』や Youtube発信 のなかで、こうした経済指標を注視しながら必要に応じて財政出動する姿勢を強調していることは指摘しておきたい。
今後は、10年後・20年後の政策決定の模範となるような、持続可能な積極財政の枠組み を確立することが求められる。また、経済と産業を成長軌道に乗せ、最終的には財政健全化を達成できるための 明確なロードマップ作り に期待したい。
また、高市総裁の日本が強みを持つ技術への見識 や、その技術への積極的な投資姿勢(本人曰く「成長のスイッチをいれる」)は、注目に値する。加えて、国防の充実や土地取得規制などの安全保障上重要な政策や、アメリカなど各国との関係強化も期待される。
これらの姿勢は、積極財政や安全保障政策など、国民民主党が掲げる方針と共通する部分も多い。特に、現在の 日本の財政状況に関する認識 は、非常に近いといえる。今後の連携のあり方に注目しつつ、高市総裁の政策がどこまで実現し、どの程度効果を上げるのかを冷静に見ていきたい。
総裁選特設サイトの投書フォームへの筆者の投稿(要約)
現在の政治に関する不安
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主にSNSにおいて、特に「外国人政策」に関して両極端な言説が多くなっている。分断への懸念。
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政府が明確な成長戦略を示せていないことに問題を感じる一方で、極端な減税至上主義のような政策が一部で支持されていることに関する懸念。
高市早苗氏が総裁になったらやってほしいこと
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基礎控除の引き上げや、ガソリン・軽油の暫定税率廃止は、物価高対策として最低限必要である。
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選択的夫婦別氏に関しては基本的に慎重だが、現行の制度ではパスポートや学問界での業績認知など国際的な場面で不便が生じる可能性がある。単に旧姓の通称使用を広めるだけでなく、各国機関への周知・普及も同様に必要である。
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天皇陛下の男系継承を継続するために、皇室典範の改正は必要だが、同時に戦後皇籍離脱された11宮家の方々の皇籍復帰のための調査も必要。
政策に関する意見(教育・基礎研究投資)
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東京大学の授業料値上げなど、国立大学の財務に関する問題がある。運営費交付金割増しのほか、大学独自の基金運用能力の強化に対する支援も必要。
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博 士課程支援(SPRING)の改正は基本的に反対ではないが、昨年度まで支援を受けていた留学生が突然支援を打ち切られることがないよう、十分な移行措置が必要。
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応用技術への投資に関する言及が非常に多いが、実用性に関してまだ未定であるが科学技術力を支えうる基礎研究への支援も重要である。